【試合の鍵を握る存在】NBA審判の役割と訓練、買収の実態とNBAの対策

NBAの審判
Dick Bavetta、Joey Crawford、Violet Palmer

 

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NBA審判の役割と責任

NBAの審判は試合を公平に進行させるための重要な存在です。

公正な判断を下す

審判の最大の責任は、公正な判断を下すことです。そのために、彼らは試合のルールに深く精通し、高い集中力と即時の判断力を持つ必要があります。そして、全ての判断は試合の公平性を最優先に行われます。

審判も人間なので、時には間違えることもありますが、そのために審判は常に自分の判断を見直し、最善の判断をし続けることで試合の公平性を保つよう努力しています。

しかし、残念ながら公平性を持つべき審判が賄賂を受け取ったという、ひどい事例が報告されています。例として公になった事例を紹介します。

審判の買収や賄賂は実際に行われた

不正行為を行ったティム・ドナヒー

2007年、審判のティム・ドナヒーはNBAの試合で審判を務めていた期間中に賭け事をしていたこと、そして試合の結果に影響を与えるために自分の判断を曲げたことを認めました。彼は賭けた試合の結果に影響を与えるために、自分が審判を務めた試合で故意に特定のチームに有利な判定を下すなど、おかしい判定を繰り返しました。

ティム・ドナヒーの行為は法に違反しており、またNBAのルールと倫理にも反していました。彼は連邦裁判所で有罪判決を受け、刑務所に収監されました。

FBIの調査とその後の裁判で、2005年から2007年のシーズンにわたり多数の試合で賭博を行い、試合の結果に影響を与えようとしたことを明らかにしました。

このスキャンダルは、NBAの審判がどれほど重要な役割を果たしているか、そして彼らの行動が試合結果にどのように影響を与えるかを改めて浮き彫りにしました。また、スポーツ全体の公平性と信頼性に対する大きな打撃となりました。

それ以降、NBAは審判の管理と監督にさらに厳しくなり、再びこのような事態が発生しないように取り組んでいます。次の内容が順次導入されました。

  1. 強化された倫理教育:ガイドラインと研修が強化。
  2. 審判の行動の明確化と強化:行動規範がさらに明確化。
  3. 早期警告システムの導入(賭博パターンの監視等)。
  4. 評価とフィードバックシステムの改善:「NBA Replay Center」が設立。

NBA Replay Center」の設立により、評価とフィードバックシステムを改善しました。これにより、審判のパフォーマンスが試合ごとにより厳格にレビューされるようになりました。

NBA Replay Centerとは?(重要)

ニュージャージー州セコーカスに位置しているセンター。ここでは、各試合のプレーをリアルタイムで追跡し、特定のプレーについて審判の決定を即時にレビューすることができます。

現代で言う所の「リモート審判」

試合中に特定のプレーについて疑義ぎぎが生じた場合、リプレイセンターのスタッフはそのプレーを何度でも再生しすることができ、異なる角度からの映像を比較することで詳細なレビューを行います。その結果は、試合会場の審判たちに通知され、必要に応じてその場で対応が行われます

また、リプレイセンターのスタッフは試合後にも映像をレビューし、審判のパフォーマンスについての評価とフィードバックを提供します。これにより、審判は自身の判断が正しかったか、何が改善できるかを明確に理解することができます。

審判の決定を即時にレビューすることにより、試合中に問題が発生した場合には速やかに対処することができます。また、各試合後には、このリプレイセンターで得られた情報をもとに、審判の行いを評価しフィードバックを提供することができます。

審判の選出方法について

審判の割り当てはReferee Operations Department(審判運営部門)が管理します。各試合の審判団は一般的に試合の数日前に決定されます。公表されるのは試合当日で、NBAの公式ウェブサイトやアプリなどで確認することができます。

審判の割り当ては、各審判のスケジュール、旅行の必要性、そしてその他の要因(経験、能力、フィットネス等)を考慮に入れて行われます。審判はシーズンを通じて全国を移動し、様々なチームの試合を裁きます。この過程において、公平性と透明性を保つために、同じ審判が同じチームの試合を連続して担当することは避けられます

なお、試合に向けた準備として、審判は試合前に両チームのスタイル、過去の試合での反則や問題点、そして特定のプレーヤーまたはチームのパターン等を確認することが一般的です。

審判の背番号について

審判の背番号

審判の背番号は主に識別のために存在します。それぞれの審判を特定し、そのパフォーマンスを追跡・評価することが可能になります。

選手が個々にユニフォーム番号を持つのと同じように、審判もそれぞれ固有の番号を持つことで、公式記録や試合レポートにおいて特定の審判の判断や行動を追跡しやすくなります。特定の試合に関するフィードバックやクレームがあった場合、背番号によってどの審判が関与したのかが明確になります。

また、背番号は観客が試合中の審判の決定について具体的なフィードバックを提供するためのツールとしても機能します。例えば納得のいかない様なひどいコールがあった場合、審判の背番号を調べ、名前や記録を確認することができます。

審判になるための条件

NBAの審判になるためには、いくつかのステップと厳格なカリキュラムを経て学ぶ必要があります。
特定の資格を持ってないとNBAの審判になれない、なんてことはありません。

審判になるための条件

  1. バスケットボールの理解
    審判になるには、まずバスケットボールのルールと戦略について深く理解している必要があります。
  2. 優れた体力
    試合は高速で動き回る選手たちを追いかけながら管理しなければならないため、審判は高いレベルの身体能力を持つ必要があります。
  3. 良好な判断力
    審判は試合中のあらゆる状況に対応する必要があり、即座に正確な判断を下す能力が求められます。
  4. 倫理的な行動
    公正さと倫理性は審判の仕事において重要な資質です。公平な試合運営を維持するために、審判は自分の行動について高い倫理基準を持つ必要があります。

審判になるための教育課程

審判の訓練は一般的に以下のような手順を踏むことが多いです。

  1. 基礎的な審判資格の取得
    まず、地元のリーグや学校の試合で審判として働くための基本的なスキルと知識を取得します。これは通常、ルールの理解と基本的な審判技術の評価に基づいています。
  2. 経験の積累
    審判として働き、経験を積むことは極めて重要です。多くの審判は高校や大学の試合で働き始め、その後、より競争力のあるリーグに進むことで経験を積みます。
  3. プロの審判スクールへの参加
    多くの審判は、プロの審判スクールやキャンプに参加します。これらのプログラムでは、試合の管理、ファウルの識別、選手とのコミュニケーションなど、審判としての技術と知識をさらに深めることができます。
  4. NBA Gリーグ
    NBAの審判になる前に、多くの審判はNBA Gリーグ(以前のNBAデベロップメントリーグ)で働くことが求められます。ここで、彼らはプロの環境での試合運営に慣れ、スキルをさらに磨きます。
  5. NBA審判の選考
    Gリーグにて注目された審判は、NBAの審判開発プログラムに参加する可能性があります。ここでは、審判はさらに厳格なトレーニングと評価を受け、NBAの試合で審判をするためのスキルと経験を磨きます。このプログラムを終えた審判は、NBAの審判運営部門に参加する資格を得ます。

審判の給料(年収)について

新人の審判の年収は約15万ドルから始まりますが、ベテランの審判の年収は年間数百万ドルに達することもあります。プレーオフやファイナルなどの重要な試合で審判を務めると、さらに追加の報酬が支払われることもあります(具体的な額は不明)。

審判の経験年間給与の範囲 (USD)年間給与の範囲 (JPY)
新人審判約$150,000約 21,000,000円
ベテラン審判約$550,000 – 数百万ドル約 77,000,000円 – 数億円
ざっくりとした給料(目安) 1ドル=140円

これらの数字はあくまで目安であり、審判の給与はNBAとの契約内容によります。また、これらの額は毎年見直され、審判のパフォーマンスやリーグの財政状況などにより変動することがあります。

チャレンジシステム

NBAでは、試合中に審判の誤審があったと考えるチームが異議を唱えるシステムが存在します。これは「チャレンジシステム」と呼ばれ、特定の状況で使用されます。

ヘッドコーチがチャレンジを要求する前に、そのチームはタイムアウトをコールする必要があります。そのため、タイムアウトがない場合、チームはチャレンジを要求することができません。また、タイムアウトが残っていない状態でチャレンジを要求した場合、そのチームに対してテクニカルファールがコールされ、チャレンジは認められません。

チャレンジできる状況は以下の3つです。

  1. 個人ファウルが選手に対して課された場合
  2. ボールアウト(アウト・オブ・バウンズ)が判定された場合
  3. ゴールテンディングまたはバスケット・インターフェランスが判定された場合

2019年の夏にNBAのオーナー達は新たなチャレンジシステムの導入を承認しました。それ以前には、2018-2019シーズンにNBAの開発リーグであるGリーグでこのシステムが試験的に導入されていました。結果として、Gリーグでの成功を経て、NBAでの正式な導入に至ったのです。

このチャレンジシステムは他のスポーツリーグ、特にNFL(アメリカンフットボール)でも導入されており、試合の公正性と正確性を高めるための一部となっています。

チャレンジが行われた場合、審判は以下の手順を守ります:

  1. チャレンジを確認:ヘッドコーチが審判に向けて指を回転させるジェスチャーを行い、タイムアウトを要求したとき、審判はチャレンジが要求されたことを認識します。
  2. チャレンジが有効か確認:審判はチャレンジが有効かどうかを確認します。チャレンジを要求できるのは特定のシチュエーションだけであり、それ以外のシチュエーションではチャレンジは無効です。
  3. ビデオリプレイの確認:チャレンジが有効であることが確認された場合、審判はビデオリプレイを見てプレーを再評価します。この時、リプレイセンターのスタッフが適切な映像を迅速に見つけ出して、審判がコートサイドのモニターで確認できるようにします。

    リプレイセンターは、コート上の審判とリアルタイムで通信する能力を持っており、審判の判断をサポートするために必要な情報を提供します(審判がヘッドホンを付けるのはこのため)。そのため、チャレンジが行われた場合には、リプレイセンターが中心的な役割を果たします。
  4. 判定の発表:審判はリプレイを確認した後、チャレンジの結果を発表します。コート上での判定が覆されるかどうか、また覆される場合はどのようにプレーが再開されるかを示します。

以上の手順を守ることで、審判は公正かつ公平に試合を進行させる役割を果たします。

 

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